高崎ローカル211系電車はどんな車両で置き換えられるのか?(勝手な予想)

JR東日本の高崎ローカル(高崎発着の上越線・吾妻線・両毛線・信越本線、以下同様)では、現在211系電車4両編成または6両編成(3両+3両)で運転されている。2016年に107系電車や115系電車が211系電車へ置き換えされると決まるまで、何回か置き換え予想を行っていた。今回は、その211系電車が何で置き換えられるか予想してみたい。(あくまでも個人的な勝手予想です。JR東日本等関係箇所への問い合わせや、決定事項のように情報を拡散することはしないで下さい。)

(1)新車か、転用車か?
従来は都市部路線に新車を投入し、置き換えられた車両を短編成化して地方路線へ投入するという流れがあった。高崎ローカルの211系電車も高崎線や宇都宮線で使用していた車両を短編成化したものだ。しかし、近年では転用改造に人員とコストがかかることから、都市部路線の車両を直ぐに新車で置き換えるのではなく、リニューアルしつつ長く使う。そして、地方路線には転用改造した中古車を入れるのではなく、地方路線向けの新車を直接投入する流れになっている。

一時期は、京浜東北線へATACS(無線式信号システム)やワンマン運転に対応する新車(E235系電車?)を投入して、余剰になったE233系1000番台電車を転用改造して、高崎ローカルに入れるという話もあったらしい。しかし、上記の方針転換後は、E233系1000番台電車に対してATACSやワンマン運転対応改造が進んでいるようだ。つまり、E233系1000番台電車の高崎ローカル転用はなくなったと思われる。

211系電車と同世代の205系電車が運転されていた宇都宮線・日光線、相模線、鶴見線は新車(E131系電車)で置き換えられたので、高崎ローカルの211系電車も新車で置き換える可能性が高い

(2)3ドアか、4ドアか?
直流電化のローカル線向け車両としてはE129系電車(3ドア)とE131系電車(4ドア)がある。高崎ローカルで使用されている211系電車は(それ以前の115系電車や107系電車も)3ドアなので、以前はE129系電車が入るかも?と思っていた。
しかし、E129系電車は都市部路線向け車両のE231系電車をベースにしているので2世代前になる。現在もE129系電車と同仕様の、しなの鉄道SR1系電車が継続製造されているのでE129系電車を製造することは可能だろうが、新たに2世代前を投入するのは今更という感じがする。

高崎ローカルの中で上越線(高崎~新前橋)と両毛線(新前橋~前橋)は、高崎線直通(東京方面列車)のE231系電車やE233系電車(4ドア車)も乗り入れるため、現在は3ドアと4ドアが混在している状態。高崎ローカルも4ドアにしてしまえば統一できるというメリットもある。

現行世代であるE131系電車の3ドアバージョンも考えられる。しかし、最近導入されるJR東日本の車両を見ると、コロナ禍以前に比べてコスト低下を意識している感じだ。設計の手間と費用を考えると無さそうだが、高崎ローカルだけでなく長野地区の211系電車置き換えまで考えると絶対無いとは言いきれない。長野地区はすでに3ドアのE127系電車も走っているし、4ドア車を入れる必然性がないからだ。長野駅には、しなの鉄道のSR1系電車も乗り入れるので、3ドアに統一する方が良いだろう。

高崎ローカルには4ドアのE131系電車が導入される可能性が高いが、長野地区のことまで考えてE131系電車の3ドアバージョンが開発されて導入される可能性も否定できないな。

(3)編成両数は?
E131系電車もしくは同等の3ドアバージョンが導入されると仮定する。現在、E131系電車は、房総地区(0番台)の2両編成、宇都宮線・日光線(600番台)と鶴見線(1000番台)の3両編成、相模線(500番台)の4両編成がある。0番台では2両+2両の4両編成、600番台では3両+3両の6両編成もある。

高崎ローカルは以前、2両編成(107系電車)、3両編成(115系電車)、4両編成(115系電車)、4両編成(107系電車2+2)、5両編成(211系電車)、6両編成(115系電車3+3)、6両編成(107系電車2+2+2)があり、区間や時間に合わせて編成を使い分けたり、途中駅での分割併合を行って需要と供給に対応していた。211系電車へ全面的に置き換えられた際、4両編成と6両編成(3+3)に簡素化され、途中駅での分割併合もなくなった(増解結要員の削減)。そのため、かつて2両編成や3両編成で運転されていた列車が現在は4両編成になっていて、区間や時間によっては過剰輸送力になっている。

高崎ローカルにE131系電車を導入するとしたとき、現状と同じように4両編成と6両編成の2パターンは作らないと思う。できるだけ簡素化すると思われる。
2両編成にすると、組み合わせで2両編成、4両編成、6両編成ができるので、かつてのように柔軟な編成を組むことができる。ただし仮に2両編成を導入したとしても、途中駅での分割併合を行うと人員の問題が出るので、増解結は車両基地内限定になるだろう。
3両編成にすると、組み合わせで3両編成、6両編成ができるので、4両編成が3両編成に減車されるが現状に近い運用が可能だ。この場合も増解結は車両基地内限定になるだろう。現状の4両編成が3両編成に減車されると、過剰輸送力は改善されるが区間や時間によっては逆に輸送力不足になる可能性もある。
4両編成にすると、現在4両編成で運転されている列車については問題ないが、6両編成で運転されている列車が2両減車になって混雑が激しくなる恐れがある。さすがに、4両+4両の8両編成はやらないと思う。

2両編成または3両編成の可能性が高いが、2両編成だと車両基地内とはいえ増解結作業が増えて現在の人員では負担が増えるかもしれない。そう考えると3両編成が一番あり得るのかなと思う。

(4)車内設備は?
現在、E131系電車は座席配置やトイレ有無などのバリーションがある。房総地区(0番台)はセミクロスシート・トイレ有、宇都宮線・日光線(600番台)はロングシート・トイレ有、相模線(500番台)と鶴見線(1000番台)はロングシート・トイレ無。また、600番台は寒冷地対策や勾配路線対策が行われている。

211系電車に統一される前の高崎ローカルは、115系電車や211系電車のセミクロスシート車と107系電車や211系電車のロングシート車があった。現在は全てロングシート車に統一されている。ロングシート車に統一された理由としては、学生の利用マナーが原因とされている。少人数でのボックス席占有で着席できる人数が少なくなることや、ドア付近に固まって立っていて乗降の妨げになるなど。

観光客の利用を考えるとクロスシートが設置された方が望ましい。しかし、東京方面から来て高崎駅で乗りかえた場合、上越線水上駅まで約1時間、吾妻線長野原草津口駅まで約1時間30分、信越本線横川駅まで約30分、両毛線桐生駅まで約50分となっており、長くても1時間以内の乗車だろう。だから通勤通学客主体でロングシートにするのは間違いではない。特に吾妻線の場合、長野原草津口駅への観光客は特急「草津・四万」の利用が多いだろうから問題ない。

新車は現状通りロングシート車になると思われる。211系電車はトイレ有で、寒冷地対策や勾配路線対策がされているので、E131系600番台電車(宇都宮線・日光線用)と同一仕様になる可能性が高い。ただし、かつて走っていた107系電車の場合、高崎ローカル用の100番台と日光線用の0番台では若干仕様が異なっていたので、E131系電車も600番台をベースにした仕様変更版になることも考えられる。

(5)まとめ
現段階での高崎ローカル211系電車の置き換えは、E131系600番台電車(若干の仕様変更を加える可能性有り)で行われると、勝手に予想する。
なお、現状の211系電車では湘南色のラインが車体に入っているが、新車両が導入されるときは107系電車に使用されていた緑とピンクのライン、または新前橋電車区(現:高崎車両センター)に所属していた165系電車に使用されていた青とピンクのラインを復活させてほしいと思っている。

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